放射線の性質について先生と勉強してみましょう☝️
放射線は高速で飛ぶ粒子あるいはエネルギーの高い電磁波です。これらが物質中を通過するとき、物質中の原子や分子と相互作用(衝突など)をし、だんだんエネルギーを失います。相互作用の起こり方は放射線の種類とエネルギーおよび物質の種類によって異なり、きわめて複雑です。
放射線が物質を通過する時、もっているエネルギーを原子や分子に与え、電子をはじき出す働きを電離といいます。原子核の周囲を回る電子が1個飛び離れ、プラスの電気を持つ原子や分子(イオン)になります。
また、蛍光作用とは、放射線が特別な物質に当たった時、その物質から特有な光を出させる働きのことです。この光を蛍光といい、蛍光を出す物質を蛍光物質といいます。蛍光は放射線のエネルギーで原子核の周囲を回る電子の軌道半径が大きくなり(れい起)、その後、基の安定な状態に戻る時に放出されます。
さらに、放射線には、物質を通り抜ける作用があります。病院のエックス(X)線撮影は、この透過作用を利用したものです。また、物質を通った後に放射線の量が減っていることを利用して、水位や鉄板、紙などの厚さを測ることができます。
中性子線は同じ粒子線であるα線、β線と性質が大きく異なります。電気を持たないため、電離やれい起作用が弱く、速度が遅くなると通り道にある原子核に吸収されやすくなる性質があります。