放射線の正体は高速で飛ぶ粒子あるいは光より高いエネルギーを持つ電磁波です。
人間に及ぼす影響や検出方法を考える場合、放射線は物質に当たった場合に電離という現象を起こす粒子あるいは電磁波と定義されるんだ。
なるほどー!
また、放射線を出す物質のことを放射性物質、放射性物質が放射線を出す能力のことを放射能と言うんだ。電球に例えると、放射性物質が電球、放射能が光を出す能力、放射線が光と言えるんだね。下の図で見てみよう!
放射能という言葉は、食品の放射能測定とか、原子力施設からの放射能漏れといった使い方をする場合があります。これはエネルギーという言葉が仕事をする能力を表すほか、再生可能エネルギーというようにエネルギー資源のことを表す場合にも使われるのと同じと言えるでしょう。
放射線を発見したのは、ドイツの物理学者レントゲンで、1895年(明治28年)、空気の薄いガラス管の中で、電気の火花を飛ばす真空放電の実験をしているときに、ガラス管の中で放射線(X線と名付けられました)が発生していることを発見したんだよ!
この発見がきっかけとなり、翌年にはフランスの物理学者ベクレルが、ウラン鉱石からもX線に似た放射線が出ていることを発見し、1898年(明治31年)には、キュリー夫妻が、ウランが放射線を放出して違う2つの元素になることを発見しました。
キュリー夫妻聞いたことある!すごい人だったんだね!
こうした発見が続いたことで、原子の構造があきらかになり、ウラン鉱石などの放射性物質からの放射線は、物質に含まれている原子の原子核から出てくることがわかりました。
また、ラジオ、テレビの電波は電気と磁気の波で、物理学では電磁波といいます。光、X線やガンマ(γ)線も電磁波であると考えられていて、真空中を1秒間に約30万km進みます。
ラジオやテレビの電波の場合はその特徴を周波数で表しますが、光の場合は周波数では大きすぎるので、一般にその逆数に比例する波長で表します。X線やγ線の場合は周波数(振動数)に比例するエネルギーで表します。電磁波は波長が短くなるにつれ、粒子としての性質を示します。電磁波を粒子の流れとみるとき、それを光子といいます。