不安定な原子核は、放射線を出して安定なものに変わる性質があります(壊変といいます)。このような放射線を出す原子を放射性核種といいます。
ウランなどの大きくて重い放射性核種は陽子2個と中性子2個が一団となったヘリウムの原子核を放出することがあり、これがアルファ(α)線で、このような壊変の形式をα壊変といいます。
また、原子核の中の1個の中性子が陽子に変化し、高速の電子を出す核種があります。この電子がベータ(β)線で、このような壊変の形式をβ壊変といいます。
放射性核種がα線またはβ線を出すと、原子核の中の陽子の数が変わり、核種が変わります。ガンマ(γ)線はα壊変やβ壊変が起こった後に原子核から放出される電磁波です。α線やβ線を放出した原子核が、さらに余分なエネルギーを電磁波という形で放出し、安定な状態になろうとするのです。
放射性核種が放射線を出して別の安定した核種になると放射線を出さなくなるわけですから、放射性核種がたくさん集まった物質の放射能は時間とともに弱くなる性質があります。
最初にあった放射能が半分になるまでの時間を半減期といいます。一定時間内に放射線を出す確率は核種により一定であり、また、出てくる放射線の種類とそれが持つエネルギーも一定です。
このことから、出てくる放射線の減り方やエネルギーを測定することにより、放射性核種を特定することが可能となります。